*All archives  *Admin

--.--.-- (--)

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【編集】 |  --:-- |  スポンサー広告  | Top↑
2009.05.30 (Sat)

ふりそそぐ光みて : Fly highly Chapter1 

                                       『天元突破グレンラガン』



【More・・・】









    くだらねえ。毎日そう思ってた。
          そう思う自分が一番くだらねえと、気付いていながら。








 そいつを見ると、イライラして仕方がなかった。
 小さい身体をしてるくせに、更に小さくなって毎日を過ごしてやがった。まるで暗い穴蔵村の、そのまた暗闇の中に溶けこんでしまいてえと思ってるみたいに。
「カミナぁ」
 呼び掛ける声に「おう」と答えはしたが、俺は振り返らなかった。時間なのはわかっていたからだ。
 俺が座っているのは崖の上、見下ろしているのは横穴掘りの採掘場だ。今日も今日とて村長のシャクがわめき立て、村の奴らがその大声にケツっぺたをひっばたかれるように穴を掘ってやがる。
 穴を掘るのは村を広げるためでもあるが、まず第一にブタモグラのためだ。あいつらは掘り返した土を食う。土を食って大きくなる。それを俺たちは美味しくいただく。美味しくいただいて家族を養い、村を広げる。
 あいつらが穴を掘るのは、だから結局、自分たちの暮らしのためだ。それ以上でも以下でもねえ。堂々巡る輪の中みたいに。ぐるぐるぐるぐる、ぐるぐるぐるぐる。
      くだらねえな。
 口の端を歪めると、背後でため息をつく気配がした。それでも俺は振り返らない。痺れを切らしたように足を組み替える音がした。
「カミナのアニキってば、聞いてんの? また仕事サボって村長に怒られても知らねえよ。飯抜きになっちまう」
「あぁ、行け行け。先、行ってろ」
 後ろに向けて、手だけを振る。ややしてもう一度、ため息をついて立ち去る気配がした。
 崖下ではシャクがいつものように掘り人たちに発破をかけている。傍に子供を置いて背中を叩き、むせそうになっているそいつを引き合いに出して。
 それは毎日でなくてもよく見知った出来事で、それを見ていると、本当にイライラしてしてくる。
 たぶんシャクもあいつも、この後どんなことが起こるかを、ちゃんと承知してやがるんだ。避ける方法だっていくらだってあるんだ。
 でもシャクがそれでも、ああして比べることをやめないのは、あいつがどうなろうと知ったこっちゃねえからだ。あいつが無気力に、ああして頭を撫でられるというか小突かれたままでいるのは、
「……わっかんねえなあ」
 第一、まともにしゃべったことがねえからな、あいつとは     シモンとは。
 さてな、と重い腰をあげる。そろそろ仕事に行かねえと、本当に食いっぱぐれちまう。
 もう一度、俺は崖下を振り返る。
 シモンはシャクに首根っ子を捕まれてうなだれている。たぶん見たくねえんだろう。自分を見る掘り人たちの顔を。羨望と疲労と嫉妬と暴力に彩られた眼を。
 まあ、と踵を返した。イライラする指の先で、髪をかきむしる。
「俺には関係ねえか」
 その時は本当に、そう思っていた。



ふりそそぐ光みて : Fly highly Scene2 へ続く

テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

【編集】 |  14:26 |  Novels  | Top↑
 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。