大空白時代
『天元突破グレンラガン』二次創作小説ブログ。ロシウ中心のシリアス小説だけだと思います。時折メルヘン入りつつ(笑)ゆる~く設定捏造してます。
2009.05.31 (Sun)
Notice it Chapter12
『天元突破グレンラガン』
その時 轟音とともに光があふれた。
すべてをうち破り、破壊する音の響きが耳を覆った。
崩れて落ちてくる土塊。落ちてくる破片。破片は鏡のようだった湖を乱し、汚し、埋め尽くす。
視界は白い世界に焼き尽くされた。さながらすべてを塗りつぶすかのようなまぶしさに、目を開いてなどいられない。風が渦巻き、はたはたと服の裾を揺らめかす。砂粒が吹き付けた。
「ロシウ!?」
あがった声はギミーだったか、ダリーだったか。それとも二人共だったか。
風にあおられ踏みしめる足下、ロシウは強く目を閉じたまま、しゃにむに小さな手を引き寄せ、両腕でかき抱いた。
「ロシウ様!」
「この子たちを奥へ!」
それまで人気の無かった坑道に村人たちが飛び出してくる。
ロシウはまだはっきりと目を開くこともままならず、それが村人の誰かもわからないままに子供たちを託した。しがみつく手を無理矢理自分の身体から引きはがす。
「ロシウ、ロシウ!」
「ロシウ! いやっ!」
今度はわかる。
ギミーと、ダリーの少し涙がかった声が瞬く間に遠ざかる。完全に開けない目に、まるで荷物のように抱えられて連れて行かれる二人が映る。一生懸命にロシウに向かって手を伸ばして。
「ロシウ様! あれを! カオガミ様が!」
カオガミ様?
誰か知れない声に打たれたように、ロシウは振り返る。目蓋の裏が赤い。
すがめた目を無理矢理に、ロシウは開いた。
見えたのはめまいを覚えるほどの光。その中に、カオガミ様の湖の中に、カオガミ様と同じような、けれどずっと巨大なものが突き刺さっていた。
ロシウはゆっくりと湖に向かって歩き出す。ひとときも目をそらさぬその先で、突き刺さったその顔が奇妙な音をさせて開いた。
次の瞬間、何かが飛び出してくるのを見た。踏みこんだ水の冷たさも忘れて、ロシウはその人影を見つめ続けた。
起ころうとしていることの予感に、囚われていきながら。
終
【More・・・】
その時
すべてをうち破り、破壊する音の響きが耳を覆った。
崩れて落ちてくる土塊。落ちてくる破片。破片は鏡のようだった湖を乱し、汚し、埋め尽くす。
視界は白い世界に焼き尽くされた。さながらすべてを塗りつぶすかのようなまぶしさに、目を開いてなどいられない。風が渦巻き、はたはたと服の裾を揺らめかす。砂粒が吹き付けた。
「ロシウ!?」
あがった声はギミーだったか、ダリーだったか。それとも二人共だったか。
風にあおられ踏みしめる足下、ロシウは強く目を閉じたまま、しゃにむに小さな手を引き寄せ、両腕でかき抱いた。
「ロシウ様!」
「この子たちを奥へ!」
それまで人気の無かった坑道に村人たちが飛び出してくる。
ロシウはまだはっきりと目を開くこともままならず、それが村人の誰かもわからないままに子供たちを託した。しがみつく手を無理矢理自分の身体から引きはがす。
「ロシウ、ロシウ!」
「ロシウ! いやっ!」
今度はわかる。
ギミーと、ダリーの少し涙がかった声が瞬く間に遠ざかる。完全に開けない目に、まるで荷物のように抱えられて連れて行かれる二人が映る。一生懸命にロシウに向かって手を伸ばして。
「ロシウ様! あれを! カオガミ様が!」
カオガミ様?
誰か知れない声に打たれたように、ロシウは振り返る。目蓋の裏が赤い。
すがめた目を無理矢理に、ロシウは開いた。
見えたのはめまいを覚えるほどの光。その中に、カオガミ様の湖の中に、カオガミ様と同じような、けれどずっと巨大なものが突き刺さっていた。
ロシウはゆっくりと湖に向かって歩き出す。ひとときも目をそらさぬその先で、突き刺さったその顔が奇妙な音をさせて開いた。
次の瞬間、何かが飛び出してくるのを見た。踏みこんだ水の冷たさも忘れて、ロシウはその人影を見つめ続けた。
起ころうとしていることの予感に、囚われていきながら。
終
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