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2009.05.31 (Sun)

君をさがして、明日の丘で Scene4 

『天元突破グレンラガン』

【More・・・】


 ロシウが総司令執務室に入ると、予想に反してそこには誰もいなかった。と思ったのも一瞬。
「シモンさん?」
 青空一面の窓を背景に逆光、大きな机の上からのそりと黒く細い腕が上がる。寝転がっているシモンはそのまま、ごろんと身体を返した。唸るような声を出す。
「行くよ、わかってるよ」
「あ、いえ」
 素早く言われてロシウは一瞬呆けたが、すぐに思い当たって苦笑する。違いますよ、と続けた。
「メディカルチェックに連れに来たんじゃありません」
 ロシウも机、シモンの足下の方に腰掛けた。寝転がったままのシモンが、それを不思議そうに見るのが少しおかしい。いつもは机の上に寝るなんて行儀が悪い、と怒る方が多いから。
「シモンさん、今、暇ですよね?」
 それはこうして顔を覗きこんで訊くための距離。案の定、シモンは顔をしかめた。
「暇だよ、すごく暇。ニアに手紙一枚で置いて行かれたよ。だから言ったじゃん? 待っててくれないんだよ、本当に」
 ニアのけちー、という非難は妥当か否か。
「どうなのかな、ロシウ? 別にニアは俺とじゃなくてもいいのかなあ? どうせ今日だって買い物に行こうって話だったんだしさ」
 シモンは机の上に起きあがると、組んだあぐらの上に肘をつく。あーあ、と大きなため息をついた。
「なんかニアも最近、忙しそうなんだ。前みたいにずっと一緒にもいられないし。帰ってきていろんなことを話してくれるのは嬉しいんだけどさ、でもさ、そうじゃなくて」
 言葉を切って、けれどシモンは「まあ、いいや」と少し照れたように笑った。それで?とロシウを促す。
「ロシウはどうしたの? メディカルチェックじゃないならどうしたんだよ」
 一瞬だけ、ロシウはこのまま黙っていようかと思う。
 今なら格納庫に走って「さっきのは嘘です」そう言えば済む。きっとリーロンはまた「馬鹿ねえ」って呼んで、でもすぐに受け入れてくれるだろう。
「シモンさんを、誘いに来たんです」
 けれど、つるりと言葉が飛び出した。「リーロンさんからニアさんが出掛けたって聞いたので、たぶんシモンさんは暇なんだろうなあと」
「なに、皮肉? 皮肉言いに来たの!?」
 まさか、とロシウは笑う。
「少し、グレンラガンで行きたいところがあるんです。付き合ってもらえませんか?」
「珍しいね、ロシウが誘ってくれるなんてさ」
 いいよ、とシモンは机の上からするんと降りた。そのまま出口に向かう。ロシウはまだ机の上に座ったままなのに。
「いつも俺とニアばっかり、ロシウに付き合ってもらってるからさ。付き合いましょう、どこへでも」
 先を歩くシモンの背中を、ロシウは見る。お尻が机とくっついている。今ならまだ買い物に行くとか、方便が効く……いくらでも。
 シモンが振り返った。「ロシウ?」
「……はい」
 ロシウはすとんと机から降りて、シモンを追った。


君をさがして、明日の丘で Scene5 へ続く
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