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2007.09.09 (Sun)

揺るがない視線  Chapter2 

                                       『天元突破グレンラガン』


【More・・・】





 補佐官執務室に戻ったロシウを、部屋は手荒く迎え入れた。
 『総司令』になってからも、他に誰が『補佐官』になったわけでもない。あの大きな窓のある総司令執務室はあまり使う機会がなかったから、仕事自体はもっぱらここか、ロージェノム・ヘッドのあるアークグレン司令室でこなしていた。
 入室する者の心理的効果を考慮して設計された総司令執務室とは違い、飾り気のない実用一点張りの部屋だ。
 いつもは整然と並ぶ書棚やキャビネットが、議事堂が攻撃を受けた時だろう、勝手気ままに位置を変えている。本棚から本が飛び出し、机の上から滑り落ちた書類が床を白く埋めている。
 ロシウはため息をついた。
 身体が泥のように重かったが、その場にしゃがみ込んで書類を一枚一枚拾い集める。
 何枚か拾い集めて、自分の指が震えていることに気が付いた。見る間に震えは大きくなって、満足に書類を拾うことができなくなる。
 ロシウはその拾いかけた一枚を取り、握りしめたそのまま、床に手をついた。肩から結んだ髪が滑り落ちる。
「……っ」
 喉の奥から、嗚咽がこぼれそうになって息をつめる。その嗚咽ごと、ロシウは呑み込んで腹に力を込めた---泣くのは、あれが最後だと決めたから。
 今度は指は震えない。拾い集める速度を上げると、見る間に部屋が元の姿を取り戻していく。なんとか仕事が出来るまでに整理できると、ロシウは端末を呼び出す。
 端末は総司令のパスワードを求め、ロシウはそれを打ち込んで、起動する画面を眺めた。
 正直、今は何も考えたくはない。自分が決断したこと、自分の決断がたどるはずだった未来のこと、何もなかったことになりそうな、これからのこと。
「……僕がやらなくてはならないのは、本当にたくさんあるな……」
 それらをやり終えるまで、どれくらいの時間が残されているだろう……?


「揺るがない視線」 Chapter3 へ続く

テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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