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2007.11.19 (Mon)

さようなら、と僕らは言った  Chapter3-6 

                             『天元突破グレンラガン』

【More・・・】



 ぱちんと音がして、部屋が明るくなった。
 リーロンが部屋の灯りをつけたのだ。そうして初めて、今までどれだけ薄暗い中にいたのかがわかった。天井で、剥き出しの電球が低い音を立てている。
「レイテ?」
 リーロンが呼ぶと、レイテは 「あいよ」 と壁から背を離す。
「ガンメンはとりあえずみんな、動くよ。無茶な使い方をしなけりゃ、もう一踏ん張りはいける。
ただ、グレンラガンだけはもうちょっと時間が欲しいね」
「ダメなの?」
 シモンが残念そうな声をあげると、当たり前さ、とレイテは無慈悲に返した。
「いくらラガンの修復能力があったとしても、ああも風穴開けられちゃ機関部から駄目だよ。テッペリンから戻ってきたんだって、たいそう無理をさせたんじゃないの? まあ、それももう少しの辛抱だ。今晩中には動くようにしてやれると思うよ」
 自信たっぷりに笑うのを見れば、それが確定事項なのは明らかだった。だとしても、グレンラガンを待っていては時間が経ちすぎるのではないだろうか。夜が明けてからテッペリンに行くのではたぶん、遅い。起き出してきてしまうからだ、獣人達が。
 同じことを考えたのか、少しの沈黙の後、ダヤッカは 「仕方ないか」 と切り替えるように言った。
「グレンラガンとシモン、両方揃っていた方が効果は大きいんだけどな。どうする、シモン? 大丈夫か?」
「大丈夫」
 シモンは頷いた。けれどすぐ、少し気弱そうに笑う。
「たぶんね。でも、本当に俺の言うこと、みんな聞いてくれるかな?」
「なに言ってんのよ」 ヨーコが呆れたように混ぜ返す。 「自信持ちなさいよ、自信を。さっきみたいに言えばいいのよ」
「そっか」
「じゃあ、分けるか。リーロン、誰を連れて行く?」
「そうねえ。……キッド?」
「俺はこいつが離れねえもん、しゃあねえだろ」
「アイラックは?」
「どうしようかなあ。俺もじゃあ、着いていってやるよ。キッドを野放しにするのも心配だし」
「いらねえ、いらねえ、おまえはいらねえ。絶対いらねえ」
「じゃあ、キッドとアイラックと」
「聞けよ! リーロン!」
「ゾーシィ? マッケン? ジョーガン、バリンボー?」
「俺はそういうのは性に合わねえよ、背中がかゆくなる」
「俺もだ」
「 「俺等もだ」 」
「ロン。テツカン達は連れて行かせないよ、こっちだってまだ人手はいるんだから」
「わかってるわよ。じゃあ、キノン?」
「あたしですか!?」
「ちょっと待て!」
「キタン、うるさい。キノン、あんたガンメン乗らないんだから手伝いなさい」
「オレは? ねえ、オレはリーロン?」
「あんたはキヤルンガがあるでしょう。しっかり兄貴の言うこと聞くのよ。ロシウはダヤッカイザーに乗るといいわ。キヨウはニアとここで待機してちょうだい」
「じゃあ、みんな、シモンを頼む。それと絶対に単独行動をするな。今、ガンメンに乗って気勢を上げている奴らは、気の荒い奴が多い。シモンだと知れば大人しくはなると思うが、念のために充分気をつけてやってくれ」
「……あ、あの!」
 ばたばたと勢いのままに決められていく選択に、取り残されそうになる。
 ん?とダヤッカは皆から、問いかけるような目をロシウに移す。 「何だ? ロシウ?」
「ちょっと待って下さい。何だかそれは、シモンさんがこちらに残るみたいに聞こえるんですが?」
「そうだよ」
 拍子抜けするほどあっさりと、答えたのは当のシモンだ。
「だって、さっきは行くって……だから僕はてっきり」
「うん。でも俺、行かないんだ」
 口を挟むダヤッカは苦笑混じりだ。
「シモンには、まだ俺達の旗印になってもらわなきゃならんのさ」
「本当は俺も、もう一度テッペリンに行きたいと思うよ。でも、別に俺が行かなくてもいいんじゃないかなって、そういうふうにも思うんだ。上手く言えないな……俺、しゃべんの下手だから。えーと、つまり、俺が行くのも、ロンが行くのもさ、きっと同じなんだと思うんだ。大事なのは俺自身が行くことじゃなくて、」
 つっかえつっかえ、組んだ腕の中に落とし込むように、シモンは言葉を探している。
 ロシウはそっと、表情に出ないように小さく微笑んだ。
「わかります、シモンさんが言いたいこと。グレン団がテッペリンに行ってくること、大事なのは、そのことなんですね?」
「そう! そうなんだ。だから、だったらさ、俺には俺だけに出来ることをしようと思うんだ」
「そういうこった。シモンが構えているとなりゃあ、それが一番の金看板だからな。言うこと聞かねえ奴を問答無用でぶっ飛ばせるってもんさ」
「あら、威勢のいいこと。男らしいわねえ」
 あったりまえよ、とむしろ皮肉げなリーロンに胸を張るキタンに 「ぶっ飛ばすのはちょっと」 と釘を刺しつつ、シモンはロシウに笑いかけた。
「でもキタンの言うとおりなら、俺は、俺が一番必要とされる所にいたい」 誇らしげにシモンは続けた。 「だから俺は、テッペリンには行かないんだ」
「だったら僕が行きます。シモンさんの代わりに、僕がテッペリンに行きます」
 気が付けば、ロシウはそう言っていた。
 あまり考えずとも、すんなりと口を出た台詞。たぶん、テッペリンに行くことを聞いてから、ずっと決めていたことだったから。
 ダヤッカと、そしてリーロンは顔を見合わせる。ダヤッカは苦みの強い声を出した。
「テッペリンに行くのは本当に危険なんだ、ロシウ。いくら夜になるからといって、前みたいに夜行性の獣人がいるかもしれない。ガンメンでどこまで進めるかも、何が起こるかも、まるでわからないんだ。シモンの代わりになんて、そんな生半可な気持ちで着いてきて欲しくないな」
「では、テッペリンに行きたいのは僕です。シモンさんの代わりではなくて」
「ロシウ」
「調べたいことがあるんです。たぶん、テッペリンに行くことでわかることもあるんだと思うんです」


「さようなら、と僕らは言った」 Chapter3-7   へ続く


 

テーマ : 二次創作 - ジャンル : 小説・文学

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